寝てください。寝ないと死ぬから寝てください。

 

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人間は寝ないと死にます

 誰でも知ってることですが、 本当に心の底から理解しているでしょうか。
 知っていても、なんだか眠くないから、やりたいことがあるから、このまま寝てしまうのはもったいないから、うんぬんかんぬんでなんやかんやと遅くまで起きてはいないでしょうか。
 
 わかる。気持ちはとてもよくわかります。私もかつてそうだったから。
 ある時期、平均睡眠時間は6時間を割っていたと思います。
 
 でも睡眠不足の本当の恐ろしさを知って、それを改めることにしたのです。

 それで最近はようやく、まあまあの睡眠時間(平均して7時間半前後)を確保できるようになりました。
(それでも週に一日くらいは眠れない夜もあります。でも他の日には眠れるのだからまあ良し、としています)
 
 と言うことでみなさまがたにも、ぜひ睡眠不足の危険性を知ってほしいのです。

睡眠不足による健康への悪影響

 保育士である私はいつも思うのです。


 子供たちが寝てくれないのは、だいちゃん先生ともっともっと遊びたいからで、それはもう仕方がないというか「ごめんね、おもしろい先生でごめんね」というしかないのですが、だいちゃん先生と特に遊びたいわけでもない(いや、だいちゃん先生と遊ぶ楽しさを知らない)大人が眠れないのはなぜなんでしょうか、と。


 もちろんそれは一言で言えば「大人の事情」というものなんでしょうが、それよりも睡眠不足が健康に与える悪影響について、知っているようで知らないからなんじゃないかと推測します。

 そこでこの章では、睡眠不足による健康への悪影響について紹介していくので、 しっかりとその危険性について理解を深めてほしいと思うのです。

 なお「大人の事情」への対処法は、本書の後半にて語られるので、お楽しみに。

1 睡眠不足で寿命が縮む〜〜〜〜〜ッ!?

 睡眠不足がもたらす最も恐ろしい健康被害は、ずばり、「寿命が縮むこと」です。

 睡眠不足は、生活習慣病やストレス、精神疾患など様々な健康被害を引き起こすことが知られています。それらの中でも、寿命短縮はその最たるものなのです。

 睡眠には体を修復し、細胞の再生を促進する重要な働きがあります。

 しかし、睡眠不足になるとこの働きが不十分になり、体に悪影響を与えることになります。
 特に、長期間にわたって睡眠不足が続くと、体内時計が乱れ、免疫力が低下するため、様々な病気にかかりやすくなるのです。例えば、糖尿病や心臓病、脳卒中などが挙げられます。

 また、睡眠不足によってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加し、体に負担がかかりすぎてしまう可能性が増大します。
 このコルチゾールは、細胞を老化させ、血糖値を上昇させ、脳細胞を破壊することで知られています。長期的にコルチゾールが分泌されると、体が老化し、寿命が縮むことに繋がってしまうのです。

 こうしてみると「寝ないと死ぬッ」は、さほど大げさな言葉ではないと言うことがわかるでしょう。
 
 だから寝てください。死にたくなければ寝てください。

2 睡眠不足でメンタルがやられる〜〜〜〜〜ッ!?

 言うまでもなく、睡眠不足はメンタルにも悪影響を与えます。

 みなさまがたも、睡眠は心身のリフレッシュに欠かせないということは知っているでしょう。
 睡眠不足は、集中力や判断力の低下、イライラ、ストレス、不安などを引き起こす原因となります。
 つまり、眠りが足りないと心のバランスを崩す可能性が高まるということです。

 そして何よりも恐ろしいのが、睡眠不足はうつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めるということです。

 「うつ病」とは、一般的には「抑うつ症状」を中心とした心の病気のことです。
 具体的には、長期間にわたって気分が落ち込んで、楽しいことが楽しく感じられなかったり、興味を持てなかったり、または自分自身や周りの人に対する無力感や罪悪感を強く感じることが特徴です。
 身体的な症状として、不眠や過眠、食欲不振や過食、疲れやすさ、頭痛、胃腸の不調などが見られることがあります。

 「うつ病」は、脳内物質のバランスの崩れ、ストレス、遺伝的な要因、生活環境などが原因で発症することが知られています。

 バランスの崩れ・・・ストレス・・・、そう、どれも睡眠不足が引き起こすものです。
 睡眠不足が原因で精神のバランスを崩し、精神のバランスが崩れることで更に不眠になる・・・。
 なんという恐ろしい悪循環〜〜〜〜〜ッ!

 もし「うつ病」になってしまったらは、放置しておくと回復が遅れるばかりか、悪化して自殺や自傷行為などの危険性が高まるため、早期に適切な治療を受けることが必要です。
 そのため、もし自分が「うつ病」かもしれないと悩んでいる場合は、専門医に相談してください。

 私たち保育士も、子供たちの心のケアに力を入れています。
 そしてできれば、保育に関するメンタル面でも、保護者の方々の力になれればとも思っています。

 ですが自ら睡眠不足になる状態を選択して、自分で精神のバランスを崩してしまうことを選ばれてしまっては、わたしたちにはどうしようもないのです。

 だから寝てください。心の平安を得るために寝てください。

3 睡眠不足で前立腺がんになるリスクが上がる〜〜〜〜〜ッ!?


 
 
 今回は、寝不足による前立腺がんのリスクについての怖いお話です。

 まず前立腺がんとは何でしょうか。
 前立腺がんは、前立腺という臓器に発生する悪性腫瘍のことです。
 前立腺は、男性の精液を作る器官であり、その役割のために男性ホルモンであるテストステロンによって刺激されます。
 ところがこのテストステロンが多すぎると、前立腺がんのリスクが上昇することが知られています。

 では寝不足がどのようにして、前立腺がんのリスクを引き起こすのでしょうか。

 睡眠不足は、体内のホルモンバランスを崩します。

 睡眠不足はテストステロンの分泌を過剰に増加させることがある、ということがわかっています。これにより、前立腺がんのリスクが、直接的に高まる可能性があるということです

 さらに、睡眠不足は免疫力の低下を招くことが知られています。

 睡眠不足によって、体内に慢性的な炎症を引き起こす物質が増加し、それによって免疫力が低下します。
 当然免疫力が低下すると、がん細胞を抑制する役割を持つNK細胞の働きが弱まり、前立腺がんの発生リスクが高まることになるのです。

 それに加えて、過度なストレスが、がんの発生に関係していることが明らかになっています。
 睡眠不足によってストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、それが免疫力を低下させる要因となるのです。
 寝不足によりストレスが増大することで、前立腺がんだけではなく、全てのがんのリスクが上昇する可能性があるわけです。

 なお、前立腺がんは、初期症状がほとんどなく、発見が遅れることが多いため、注意が必要とのこと。
 予防することが一番なのです。

 だから寝てください。がんになりたくなければ寝てください。

発行 2023年5月14日

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