「時間があったはずなのに、時間がなくなっているのはなぜか」三弐 万理人 より
ワークライフバランスが悪いと言うことは、自分がやらなくてはいけないこと、そしてやりたいことが多すぎる、と言い換えることができます。
ここではやるべきこととやりたいことを区別していますが、多くの人がこれを一緒くたにしてしまう傾向があります。
30代男性の中堅営業社員で妻子ありと言った場合の一例を考えてみます。
仕事においてやらなくてはいけないことの例
・既存顧客との関係構築と定期的なフォローアップ
・提案書や見積もりの作成と提出
・ミーティングやセールスプレゼンテーションへの参加
・売上目標の達成と成果報告
・営業戦略の検討と改善のための分析と調査
・部下、後輩の育成
・キャリアアップのためのスキル向上と学習
生活においてやらなくてはいけないことの例
・家族とのコミュニケーションと関わりの時間の確保
・子供の面倒を見るための時間配分と家族サポート
・自分と妻の親の面倒を見る
・家事や日常の生活管理の負担分担と協力
・財務管理と家計の収支管理
・休息とリフレッシュのための時間の確保
・持ち家や教育費、老後資金をどうするかなどのライフプランニング
自分の人生の目標のためにやらなくてはいけないことの例
・健康管理と運動の継続的な取り組み
・プライベートな趣味や興味の追求と時間の確保
・自己成長とバランスのとれたライフスタイルの実現
ここでは3つのジャンルに分けましたが、これらは往々にして内容が重なってきます。
例えば自分の人生の目標が今の会社における出世であればそれは仕事においてやらなくてはいけない事になり、家族の幸せであれば生活においてやらなくてはいけないことに分類されます。
またやらなくてはいけないことの中に、やりたいことが混在しています。
例えば、仕事の中ではキャリアアップのためのスキル向上と学習、生活においては家族とのコミュニケーション、そして自分の人生の目標のためにやらなくてはいけない事は、ほとんど全てがやりたいことなのではないでしょうか。
こうした境界の曖昧な自分の「やらなくてはいけないこと」リストが増えれば増えるほど、結果的に自分の人生の目標のためにやりたいことの優先順位が、どんどん下がってしまいます。
自分の時間を他人のためにだけに消費して自分のために使う時間がない、と言う状態が続けば、焦りやいらだちとなってストレスを蓄積していきます。
このストレスがすべての時間の生産性を下げ、果てには自分の人生の価値を下げる大きな要因となっているのです。
結局、時間泥棒団を許しているのは自分自身だった
仕事と家族が、時間泥棒団の一員である事は間違いありません。
もちろん、仕事や家族と言う存在が貴重で大切なものであると言うことを、否定するものではまったくありません。単に自分の時間を消費している大きな要因、と言う意味です。
仕事が忙しすぎて自分の時間がない・・・
家族に手がかかりすぎて自分の時間がない・・・
そのとおり。疑う余地は無いように見えます。
でもそれって、自分の選択の結果じゃないですか?
全部そうだとは言いませんが。
ワークライフバランスの崩れや、やらなくてはいけないことリストの膨大化は、自分自身が選択している結果である、ということを考えてみましょう。
自分と言う存在は、自分の時間をどのように使うかを決める主体です。
ワークライフバランスの崩れや、やらなくてはいけないことリストの膨大化は、自身が優先する価値観や選択によって生じるものです。仕事や家庭、個人の目標など、人生におけるさまざまな要素がありますが、それらをどのように調和させるかは、自分自身の判断に委ねられています。
自分の時間が不足していると感じるのは、自身が優先順位を明確にせず、無駄な活動や優先度の低いタスクに時間を費やしているため
時間の使い方に関しては、効果的なプライオリティ設定や時間管理のスキルが求められます。自分の目標や価値観を明確にし、それに基づいて選択を行うことが重要です。
また、やらなくてはいけないことリストが膨大化するのは、自分自身が負担を背負い込んでしまっているからです。完璧主義や他人の期待への応えなど、さまざまな要素が影響していますが、自身が負担をかけることを選択してしまっているのです。
ワークライフバランスを良好に保つためには、自分自身が優先する価値観を明確にし、重要なことに集中することが必要です。
また、自身の限界を認識し、効果的な権限の移譲や助けを受けることも大切です。自己肯定感を高め、自身のケアやリフレッシュも忘れずに行うことも重要となります。
自分自身が選択した結果である以上、自分自身で時間の使い方を見直し、自分自身の責任を持って選択し直すことが必要なのです。自分の時間を大切にし、自分の人生において本当に重要なことにフォーカスすることで、時間を上手に使いこなせるようになるでしょう。
確かに仕事も家庭もとても大事なもので、そのために忙しくなるのはある程度仕方のないことです。
ですがそこで思考停止して、ただ時間がないことを嘆いているだけでは何も解決しないのです。
自分ができることできないこと、変えられること変えられないことを判別して、自分の時間を取り返していきましょう。
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