不幸せとはなにか?

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「お金のことはあまり考えずに幸せに暮らすお金術」大道寺 大 より

1 不幸せとは「生存の危機」、「苦痛」、「不自由」な状態

 不幸とは、人々が経験する負の感情、物理的苦痛、または生き残りを脅かす状況を指します。この生存を脅かされる状況の中には、病気、事故、外敵の襲来などによる物理的な危機と、社会的、経済的な状況によって引き起こされるものがあります。

 最も一般的な不幸の形態の一つは、生存が脅かされている状況です。戦争や災害、病気、事故などがこのカテゴリーに含まれます。

 これらの状況では、生き残るために行動することを最優先する必要があり、その過程で物理的な苦痛や感情的なストレスを経験することになります。これらの状況に直面する人々は、しばしば絶望感や深い悲しみに襲われることもあるでしょう。

 そして自分の人生を生きていく上でなにをするのか決められる自由がない状況も、大いに不幸な状況と言えるでしょう。

 政治的な弾圧、経済的な制約、人種差別、そして虐待や暴力などがその例です。自分で自分の人生をコントロールできず、自由に行動できない状況にある人々は、不幸といっても過言ではありません。

2 不幸せとお金の関係:お金のことを常に考えていなければならない状態は?

 明らかに不幸です。

 常にお金に関する問題に悩まされる人々は、貧困や経済的な不安、そして借金などの問題に常に直面している人に限りません。一般的には富裕層と呼ばれる人の中にも、日頃お金に関するストレスに悩まされている人が多いのです。

 お金のあるなしに関わらず、常にお金のことが頭から離れず考えずにはいられない状態もまた大いなる不幸な状態である、と私は考えます。

 お金のことが頭から離れない状況は、投機あるいはギャンブルをしている場合や、いくら稼いでも将来の不安がなくならない場合、そして財力を他人と比較しないと自己肯定感が得られない場合など、様々なケースが考えられます。

 投資ではない投機、あるいはギャンブルをしている場合、常にお金のことが頭から離れない状況になっていることでしょう。
 投機やギャンブルは、高いリターンを期待できる反面、当然大きなリスクも伴います。そのため、勝負に勝った場合は幸福となりますが、負けた場合は極端に不幸になります。もう少しで勝てたのにと後悔することもあります。
 勝負に勝った場合には、大量の脳内麻薬が分泌され、素晴らしい多幸感に包まれます。ですがそれは長続きはしません。勝ったら勝ったで、次はもっと勝てるかもしれないという思い込みを振り払うことは、ほぼ不可能です。

 ほとんどの人にとって、勝ち逃げすることはとてもむずかしいことなのです。
 これらの経験が、お金が頭から離れない状況を生み出します。そして投機やギャンブルには終わり、ゴールがないのです。まさしく無限地獄です。

 いくら稼いでも将来の不安がなくならない場合も、お金のことが頭から離れない状況を生む可能性があります。
 例えば、大企業に勤めていて高い収入を得ているとしても、今の世の中何があるかわかりません。会社が倒産したり、リストラされたりすることがあるかもしれません。そのため、いつ失業するか分からないという将来への不安がつきまとうことになります。このような状況下では、お金が頭から離れず、精神的に不安定になりがちです。
 むしろ今現在、高い収入を得ている人ほど、それを失うことへの恐怖心は強いといえるでしょう。

 資産や財力などを他人と比較しないと自己肯定感が得られない場合も、お金が頭から離れない状況になる可能性が大いにあります。
 人は、自分自身を他人と比較する傾向があります。そして、お金に関しては、特に他人と比較しやすいのです。
 例えば、自分よりも収入が多い人がいると、「自分は負け組だ」と思ってしまうこともあるでしょう。そのため、自己肯定感を得るために、お金に執着する傾向が生まれることがあります。このような状況下ではけして、永続的な心の平安を得ることはできないでしょう。

 他人との比較もまた、終わりの見えない無限地獄と言えます。 

3 不幸せとお金の関係:近い将来に必要なお金が準備できそうにない状況は?

 まだ不幸せではありません。

 近い将来に必要なお金が準備できそうにない状況は、大きな心配事を抱えることになるかもしれません。
 しかし、その状況自体が不幸と決まったわけではありません。
 なぜなら、本当にそのお金が必要なのか、本当にそれが準備できないのか、他人の協力を得られないのか、などの検討事項や対応策がまだまだあるからです。

 まず、そのお金が本当に必要なのかどうかを検討することが重要です。
 たとえば、将来的に医療費がかかる可能性がある場合、根本的には健康な生活を送ることで医療費を抑えることを目合すべきでしょう。
 すでに大病を患い、その治療にお金がかかるとはっきりと判明している場合、自力で都合できなくてもなんらかの公的な支援などを受けられるかもしれません。

 また、子供の教育費などで将来的に大きな支出が必要になる可能性がある場合、定期的に貯金をすることなどが基本の対応策ですが、奨学金や学資ローンなどの利用も検討すべきでしょう。

 これらのことを踏まえ、必要なお金が本当に必要かどうか、あるいは支援や融資をうけられないのかどうかを検討することが大切です。

 他人の協力を得ることも一つの選択肢です。家族や友人に相談することで、たとえ必要なお金を借りることができなくても、なんらかのアドバイスを受けられるかもしれません。
 その意味では専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。自分に合った方法でお金を準備する方法を教えてもらうことができる可能性があります。

 とにかく、自分で全てを解決しようとせず、他人の力を借りることも考えてみましょう。
 完全に他力本願にならなければ、それは恥ずべきことではありません。

4 不幸せとお金の関係:お金がないために欲しい物が手に入らない状態は?

 その欲しい物が生きるために必要不可欠なものでなければ、ぜんぜん不幸ではありません。

 もちろん、必要な医療費や食費が賄えない状況にある場合や、住む場所がなくなる危険性がある場合などは、非常に不幸な状況と言えます。長期的にお金がないことで生活が苦しくなる状況にある場合は、精神的に追い詰められてしまうこともあります。

 人間には生活必需品以外にも本能的に欲しいものが多く、もともと全てを手に入れられるわけではありません。

 物事に価値を与えるのは人間の主観であり、何が本当に必要かはどうかも、人それぞれ異なります。

 例えば、高級車やブランド品を手に入れることができないということが、そのまま生活が成り立たないということになるわけではありません。人間は贅沢品や趣味のものを手に入れることができなくても、それによってすぐさま生活が破綻するわけではないのです。

 物質的な豊かさが全てではなく、心の豊かさも幸福に繋がると言われています。例えば、自然の中を散歩することや、友人と過ごすことなどにお金が必要ありませんが、私達に小さくない幸福感を与えてくれます。

 お金がなくても幸せに暮らせる人もいれば、お金がないことで苦しむ人もいるということを忘れずに、自分にとって必要なものとは何かを見極めることが大切です。

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