お金(年収)と幸福度の相関関係とは?

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「お金のことはあまり考えずに幸せに暮らすお金術」大道寺 大 より

年収と幸福度に関する研究

 お金と幸福度には比例関係があると言われていますが、その関係には一定の限界が存在するとされています。

 具体的には、年収と幸福感は一定値までは比例的にともに上昇する関係があるとされていますが、ある程度の年収を得られると、そこから上になっても幸福感はあまり上昇しないという有名な研究結果があります。

 「幸福度と収入は比例するが、年収7万5千米ドル(当時)で幸福度はほぼ頭打ちになる」

ということが、ノーベル経済学賞受賞者である心理学者ダニエル・カーネマン教授らによって発表されました。

 実は日本においても、年収と幸福度に関する調査が行われていました。2019年に発表された「満足度・生活の質に関する調査」でも、ほぼ同様の結果がでたとのことです。

 なぜこのような現象が起きるのでしょうか。
 お金が幸せに直接的な影響を与える要因として、基本的なニーズ(食事や住居、医療など)を満たすことや、安定した生活を送ることが挙げられます。しかし、一定の収入水準を超えると、基本的なニーズは満たされることが多くなり、それ以上の収入が幸福感に与える影響は相対的に小さくなってしまうから、と考えられています。

 また、お金が幸せに直接的な影響を与える要因以外にも、社会的な関係や自己実現などの要因があることも指摘されています。たとえば、豊かな人間関係や、自分がやりたいことに取り組むことができる時間や余裕があることが、幸福感に大きな影響を与えることが分かっています。

 以上のように、お金と幸せには一定の関係がありますが、ある程度の収入水準を超えると、幸福感の向上にお金が与える影響は鈍化するということが分かっています。また、お金が幸せに直接的な影響を与える要因以外にも、社会的な関係や自己実現などの要因が幸福感に大きな影響を与えることが分かっています。

・・・というのが通説でしたが、驚くような最新研究が!?

「年収と幸福感の関係について、ある程度の年収以上になっても幸福感が上昇しない」という先行研究があることは以前から知られていましたが、最近になってこれを否定する研究結果が発表されました。

 発表したのは、なんと10年前にこの研究を発表した心理学者ダニエル・カーネマン教授その人です。

 一言で言えば、同教授の最新の研究では、

年収が上がるにつれて幸福感も上昇する傾向が見られ、また年収が高い人ほど幸福感も高い傾向があることが示された、

とのこと。少なくとも50万ドルまでは幸福度が比例的に上昇するというのです。

 この新しい研究は、データ分析や研究方法が従来のものと異なるため、一部の研究者からは懐疑的な意見も出されているようですが、一方で、従来の研究結果に疑問を持っていた研究者からは、新しい研究が重要な示唆を与えるものだとして評価されています。

 どちらの研究結果が正しいのか、まだ結論は出ていませんが、新しい研究は、年収だけでなく、教育水準や職業、社会的地位などの要因も幸福感に影響することを示しています。つまり、年収だけで幸福感を説明することはできず、複数の要因を考慮する必要があるということです。

 このように、お金と幸福感の関係については、まだまだ研究中です。ただ、新しい研究結果が示すように、年収が上がることで幸福感が上昇することはある程度間違いないので、お金が幸福感に寄与することは否定できません。

 ですがここであえて言わせていただきます。

 年収50万ドル(日本円にして約6500万円)の話って私達に関係あります???


 とりあえず年収7万5千ドル(当時800万円、令和5年4月現在で970万円)を超えるまでは気にしなくてもいいのでは???

 といいますか、そもそも年収も含めてお金のことなんかあまり考えないほうが幸せになれますよ、というのが本書の趣旨ですから、この年収と幸福度がどこまで比例するのかどうかはあまり関係がないお話なのでした。

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